奇跡について領域の移動とデザイン領域の話
奇跡について領域の移動とデザイン領域の話
AVRで追加された「奇跡」というシステムがなかなか面白いものだったので、自分の日頃考えてるカードゲームの構造分析から奇跡ってシステムについて考えてみる。

極端にいうと「カードゲーム」とは、カードとテーブルとプレイヤーで構成されているゲームである。
ここではこの中でも「テーブル」に着目してみたい。

多くのカードゲームではこのテーブルをいくつかの領域に区切ったり、カードの所在によってそれらを区別して遊んでいる。

例えば「捨て札」だとか「山札」だとか「手札」とか。
これを僕はおおまかに「領域」と呼んでいる。

例としてトランプの「大富豪」には領域が3つある。
「手札」「場札」「捨て札」の三つだ。
それぞれ手に持っている/テーブルの中央/テーブルの端っこという風に区別される。
この三つの領域をカードが移動することの名前を上の図で表現してみた。

図を参照して頂ければ分かるように、大富豪における領域移動とは手札→場の「出す」、場→捨て札の「流す」のことを指す。(※もしこれ以外でローカルルールであったら教えていただきたい)

こうして図表化したことによって、この表の空欄が「大富豪」におけるデザインの空白であることが分かる。
具体的には手札を捨て札にするカード、場札を手札に戻すカード、捨て札を手札や場に戻すカードが大富豪においてデザインできると考えられる。

一般的なTCGをプレイしている人にとってはこれらの領域移動は馴染み深いものなのではないだろうか、「手札を捨て札に」や「捨て札を手札や場に」なんて長ったらしい文章を読んでいる最中に、頭の中でそれぞれ「ハンデス」「リアニ」なんて言葉で読み替えているかもしれない。

同様にMTGも領域を持ち、領域を移動させる効果を持ったカードや領域を移動することに対応する言語がある。ゆえにMTGに関してもこの大富豪と同じような領域移動表を作れば領域移動に関するデザインの空白を知ることが出来ると考えられる。

このような考えを元に制作した図が二つ目の図である。(図参照)

MTGには大きく「山札」「手札」「戦場」「墓地」「ゲーム外」の五つの領域がある。
更に細かく「山札」には「一番上」「一番下」、「戦場」には「タップ」「アンタップ」
があり、更にルール上で重要な「スタック」が存在する。

ここで「奇跡」に関してだが、紛れもなくこれは領域の移動をトリガーとした能力である。
類似の能力に手札→墓地の「マッドネス」が存在する。

「奇跡」は山札の一番上から手札に移動することで誘発される。
これは「引く」という行動と同義ではあるが、その双方が非公開情報であることから新たな領域「一番新しい手札」を設け他と区別することが必要となった。

この新しい移動可能な領域を設定するというデザインの仕方はオデッセイブロックの「願い」のデザインと似ている。本来サイドボードはサイドボード→山札/山札→サイドボードという移動の名称「サイドボーディング」という言葉のために表に追加可能ではあったが、基本的にはゲーム中に移動可能な領域として存在しなかった。そうした領域をゲーム中移動が可能な領域と位置づけたという点で「奇跡」と類似していると言える。

というわけで、カードゲームのデザインにおいては区別可能な領域を増やすことと、領域移動の空白を埋めることが必要になると考えられる。但し区別可能な領域が増えることは表の空白を大幅に拡大する一方ゲームの複雑性を増し、ゲームの面白さを狭める結果を招く可能性がある。また表の空白を埋めることはゲームの複雑性を招かない一方目新しさや目を引くシステムを作りづらいのが難点である。


コメント

夢みるうんぽぴん
2012年5月22日14:02

3行で(ry

TON(カツオ)
2012年5月22日15:02

図のPtEの場所がおかしいですね、、、糾弾?
面白い考察ですね、、

みみみ
2012年5月24日0:27

>うんぽぴんさん
イミフでスマソwww
自分でもいまいちなにが言いたいかまとめきれてません;;

>TONさん
そうですね糾弾が正しいですね。すみません。
うまいことまとめられれば面白いとは思うんですが、、

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